攻防比に関するあれこれ

攻防比って言われてもなんのこっちゃ分からんという人は、いつも通りこちらのダメージ暗算解説のページを先にご覧ください。

このページでは攻防比を使いこなすのに、知っていると便利かもしれないあれこれについて纏めています。攻防比はダメージベースと違って毎回計算しないといけないので厄介ですが、暗算するということで多少のズレは許容して、計算することよりも後の判断に活かすことが重要だということを前提に考えるといいです。

計算ミスはもうしょうがないです。逆にどうやったらなくなるのか教えてください。

攻防比とはなにか

文字通り\(\frac{攻撃}{防御}\)で表すことのできる比率で、値が大きいほどダメージが大きくなり、値が小さいほどダメージが小さくなる。重要なのは比率であるということで、攻撃力が大きくなっても防御力が大きくなればダメージは変わらない。

尚、攻防比は特殊攻撃の場合は、\(\frac{特攻}{特防}\)となるが、このページでは特に断りがない限り、攻撃・防御で表現する。

自分のポケモンの実数値について

攻防比を考えるとき、攻撃力・防御力どちらも実数値で考えないといけないが、実戦において攻防比を考える時、攻撃側か防御側のポケモンのどちらかは自分のポケモンであるのだから、自分のポケモンの実数値は覚えておいて、考えないといけない実数値は相手の値だけに限定する。

覚えてないならメモなど使ってもいいが、自分のポケモンのことくらい覚えるくらいの愛はほしい。

相手のポケモンの実数値について

前述の通り、相手のポケモンの実数値は考えないといけないが、どっちにしたって相手のことなんか考えたってわからない。例えば相手がガブリアスだったとして、そのAの実数値は最低121から、最高200+こだわりハチマキまで考えられる。最低火力と最高火力の間で約2.5倍ほどの差がありどう実数値を設定すればいいか悩ましいが、ダメージ暗算は相手の分からないことを分かるようにするためにやるものであって、とりあえずの値を設定してしまえばいい。

実戦でありえそうな値として、私は基本的にはダメージ暗算では以下の三つの値しか考えない。

  • 種族値+20 個体値V努力値無振り性格補正無し:ガブリアスの場合130+20=150
  • 種族値+52 個体値V努力値252振り性格補正無し:ガブリアスの場合130+52=182
  • (種族値+52)×1.1 個体値V努力値無振り性格補正有り:ガブリアスの場合(130+52)×1.1=200

相手がガブリアスの場合はアタッカー気質のポケモンだと考えて、私なら182で考える場合が多い。

182で想定して耐えられないと計算出来たら、他のポケモンで受けるか今のポケモンを捨てることを考える。

182で想定したダメージより遥かに大きいダメージが出たらそれはこだわりハチマキだと考える。もし計算に自信があって相手の乱数が計算に都合のいい値がでれば、相手が性格で攻撃に補正がかかることが分かる場合もある。

この段階から、重要なのは状況を素早く判断することというのが、考え方の根幹にある。

攻防比が簡単な数値になる場合

ここから攻防比の話になる。

まず、攻防比が簡単な数値になる場合はそのまま計算すればいい。

例えば、攻撃力実数値200のガブリアスが防御力実数値100のマリルリにじしんを撃った場合、攻防比は\(\displaystyle \frac{200}{100}=2\)となり、下式のように計算も簡単にできる。

\(\displaystyle (44\times\frac{200}{100}+2)\times1.5=(44\times2+2)\times1.5=135 \)

この例に限らず、攻防比が1とか2とか1.5とかわりと計算しやすい値になる場合は結構ある。

攻防比が簡単な数値にならない場合

(1)攻防比をずらす

基本的には、攻防比はそんなに綺麗な値にはならない。

綺麗な値にならなくてもごり押しで計算してしまってもいいが、私はそのまま計算してしまうことはほとんどない。以下によくある工夫例を2つあげる。1つ目は、攻防比をずらしてしまう

例えば、特攻実数値205のウルガモスが特防実数値105のガブリアスにむしのさざめきを撃った場合、攻防比は\(\displaystyle \frac{205}{105}\unicode{x2252}1.95\)となり、ちょっと計算しずらい。

こんな時、計算するのが面倒だったら攻防比1.95→2と計算が簡単になるよう攻防比をずらしてしまう。

攻防比2で計算すると、実際の値より多めのダメージを見積もってしまうことになるが、攻防比2で耐えるなら攻防比1.95でも耐えることがわかる。

より精度を上げてみたい場合は、攻防比2で計算したダメージから少し下げたダメージに戻して考えればいい。

このずらしをすることで、私はダメージ暗算の結果と実際の計算結果がずれる場合が多々あるが、何度も繰り返すようだが状況を素早く判断できればそれでいいことのほうが多い。

もちろん精度のほうが重要なこともあるので、なかなかこのバランスは難しい。

慣れてくるとDBそのまま(攻防比=1)で計算してしまって、95%上にずらすとかかなりめちゃくちゃな計算をすることもある。もはや計算放棄である。

(2)DBと攻防比を合わせてずらす

2つ目は、攻防比とともにDBもずらしてしまう

上で上げた例、特攻実数値205のウルガモスが特防実数値105のガブリアスにむしのさざめきを撃った場合、むしのさざめきのDBは39.6となるが、これもちょっと計算が面倒。

個人的には3桁以上は計算が面倒なので、大抵の場合2桁か1桁で考える。

なので、この場合、DBも39.6→40にずらしてしまう。(1)の攻防比2と合わせてダメージは以下のように計算できる。

\(\displaystyle (40\times2+2)\times1.5=123 \)

正確な暗算式だと以下のようにダメージは118となり、これは実際の計算結果と一致するのだが、5ずれてしまう。

\(\displaystyle (39.6\times\frac{205}{105}+2)\times1.5=(39.6\times1.95+2)\times1.5=118 \)

DB39.6→40としたことで1%ほど実際のダメージより大きくなり、攻防比1.95→2としたことで2.5%ほど実際のダメージより大きくなり、トータルで1+2.5=3.5%ほど大きくなっているのだから当然これくらいのずれが出る。

118が123だったとしても必要な情報が得れる場合もあるのだが、もっと細かい数値が必要になることもある。

こういう時は、頭の中でどれくらいずれているのかなと考えて割り戻すということを、私は頭の中でしている。

この場合、正確な値が欲しいなら上がりすぎた3.5%を逆に下げてしまえばいい。

\(\displaystyle (40\times2) \) → \(\displaystyle (40\times2)\times0.965\unicode{x2252}77 \)

\(\displaystyle (77+2)\times1.5=118 \)

上式のような結果になり、実際の計算結果と一致することができた。

このずらし戻しがダメージ暗算の速度と精度両面を上げる鍵になる。

また、ダメージ計算の途中経過では小数点以下切り捨て処理が入るので、小数点以下を考慮する必要がない。

\(\displaystyle N\text{≦}DB×攻防比<N+1 \)となる整数Nを見つけられればその時点で計算終了と考えていいことを知っておくと便利。

特殊攻撃力・防御力

DBもそうだったが、一部の特殊な特性、もちものなどの時に実数値とが違う攻撃力・防御力で計算してしまったほうが計算が楽になる場合があり、特殊DBと同様に特殊攻撃力・防御力と呼んでいる。

以下に3例示す。

拘り鉢巻をもったポケモン

単に攻撃力×1.5してしまえばいい。

とくせいかたいツメを持ったポケモンが直接攻撃する場合

かたいツメは技の威力が1.3倍になる特性だが、とくせいはポケモン固有のものであるため、技のDBを考えるよりポケモンの攻撃を変えてしまったほうが、毎回計算する必要もなくなり都合がいい。

よって、攻撃力×1.3として考える。

わざわい特性は自分のポケモンに逆数がかかっていると考える

パオジアンのわざわいのつるぎなどの特性は相手のステータスを下げる特性であるが、相手の未知の実数値に毎回補正を考えるのはやや面倒である。それよりは、はっきりわかっている自分の実数値にあらかじめ補正をかけてしまったほうが都合がいい。

例えばわざわいのつるぎの場合、相手の防御を3/4する≒自分の攻撃を4/3すると考えて、あらかじめパオジアンの攻撃力×4/3しておけば考えることが一つ減る。

もちろん、これらの特殊攻撃力・防御力を使わないでも都度計算してしまってもいい。工夫はすればするほど、暗算は早くなるが、ミスも起こりやすいため注意。